スポーツ中に起きてしまう骨折、脱臼、靱帯損傷などいわゆるスポーツ中のケガにあたるものを特にスポーツ外傷と呼ぶ場合があります。スポーツ外傷の中には通常の日常生活の中では起こりにくい疲労骨折や肉離れなども含まれ、専門的治療が必要なこともあります。

一般的には交通事故による骨折も、スポーツ中の骨折も治療法に差は無いと考えられています。

しかし、ラグビー、サッカーなどのスポーツ選手の場合、骨折の治療終了後は再び激しいスポーツの現場に復帰するため、再骨折の危険性などを十分考慮した上での治療法の選択が必要となります。

また、一般の方では一年後の結果が同じであれば、なるべく手術をしないで保存的に治したいと希望される方が多いのですが、スポーツ選手の場合、一日でも早く現場復帰できる治療法が第一希望であり、それが手術により可能であるならば積極的に選択されるケースが多く、復帰までの時間を考慮した治療法の選択も必要となるのです。

治療について

患者様のスポーツ種目、レベルなどを考慮し、スポーツ医学上最適な治療方法をご提案します。

骨折などで手術が必要な場合は近隣の病院へのご紹介となります。

当院での術後リハビリをご希望の方は退院後は当院へ通院していただき、スポーツ復帰へ向けたリハビテーションを受けることが出来ます。

関節鏡視下手術など一部の専門的手術においては近隣の病院に入院していただき、院長執刀の手術を受けることが可能な場合があります。

現場での救急処置

スポーツ中にケガをしてしまった場合はRICEの処置を行ってください。

RICEとは
R rest(安静)
I icing(冷却)
C compression(圧迫)
E elevation(挙上)
の頭文字をとったものです。

足関節捻挫の場合

  1. 選手を寝かせます。
  2. スポーツドリンクの段ボールとテーピングテープでL字型の添え木を作ります。
  3. この添え木で足関節を固定し、テーピングテープで固定します。
  4. ビニール袋に氷を入れ、患部を冷却します。
  5. 下腿の下にバッグなどを入れて心臓より高い位置に挙上します。

出血を伴う創傷の場合

水道水で構わないので大量の水で創部を洗い、付着している砂、土を出来るだけ取り除いてください。

ほとんどの場合、創傷部位の直接圧迫で止血は可能ですので、ガーゼやタオルなどで創部を押さえてください。